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2008(Tue) 23:06
悪魔には2本蝋燭を立てよ 齋藤君子
![]() | 悪魔には2本蝋燭を立てよ―ロシアの昔話・俗信・都市伝説 (2008/11) 齋藤 君子 商品詳細を見る |
ロシアの昔話、俗信、都市伝説からジョークみたいな小噺まで、広く集めた民俗の本。
近くの図書館は日本のフォークロアの本はいっぱい入ってるのに、世界のはあんまり入ってない!と不満なんですが珍しく買って貰えてました。
さて、もちろん私はハラショーハラショーボルシチには黒コショー!……というつもりでこの本を読んだのですよ(^^ゞ
スボリンスキー夫妻の国ロシア!それにロシアは敬虔なギリシア正教徒の国。
サンホラーとしては気になるところです。
都市伝説とか、日々の暮らしに関するところはともかく、民間信仰の辺りは興味深かったです。以下、Sound Horizonのファン的な感想。
例えば、ロシアやスラブ民族に限ったことではないけど、黄泉と現世ではすべてが逆転しているという考え方。生者の下に死者がいるという、Moira通常盤のブックレットを思い出します。鏡や水に映る、というのも、「さかさ」になるので異界や冥府の入口になり得るんだそう。
なので、変身するとき宙返りしたり、回転する糸玉で異世界へ導かれたり、回転運動が異界へ渡す機能を持つのでは、と考察されてました。
単に回転運動は場所の移動を表すだけでなく、時間の移動をも表し、正の向きの世界と反対の向きの世界を入れ替える効能も備え、なんていうか運命の車輪とか歯車とかにイメージが繋がっていくような気がしました。
他にも、スラブでは偶数は不吉、というのは初めて知りました。特に2が不吉らしい。
『神様に1本蝋燭を立てたら、悪魔には2本立てよ』というブルガリアの格言からこの本のタイトルが来ていますが。
同時にふたり、あるいは同時にふたつ、というのはタブーなんだそう。昔流行った、同時に同じことを言ってしまったら「ハッピーアイスクリーム」という現象は、世界中にあるらしい。
もちろん、不吉な2。その最たるものが双子なわけです。
日本では対の名前をつけ、再び1に戻し危険を緩和しようとするのだそうです。あるいは、とても縁起のいい名前をつけるとか。
双子は恥で、片方死んでくれたらいい、とまで考えられていたらしく、厄払いとして一回捨てたりもしたらしい。
畜生腹とかいうのは日本とも同じみたい。男女の双子は、日本なら心中の生まれ変わりとして嫌われたりもしてたはず。
なにせ、双子は運命共通するから、片方が死んだりしたら運命を引き離す儀式がいるんだそう。
うわーん、エレフー、ミーシャー、とか言いながらこの本読んでるの私くらいなもんだと思います。
同じものがふたつある、という不吉。
けれど神は、混沌を天と地に分け、海と陸を分け、陰と陽を分け、男と女を分け。
一つを双つに分けた。互いがより際立つように、結び付くことでより強固になるように。
というのが、下の記事にもある桐野夏生の本『女神記』の内容でした。
一つを双つに分けるのも神なら、双つを一つにするのも神。それは人間の領分ではない。そういうことなんでしょうか?




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