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2008(Sun) 15:06

黒百合 多島斗志之

本の感想(ミステリ)

黒百合黒百合
(2008/10)
多島 斗志之

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「このミス」と、文芸春秋のベストミステリーでは10位以内、本格ミステリベストでも20位以内ということで、手堅く評価を集めているミステリのようです。

西暦と昭和で語られる、小説上の現在と過去の2系統の時間軸があります。複雑なようなシンプルなような、考えたくなくても構図・構成が頭に浮かんでしまうような小説でした。

避暑地で出会った二人の少年と一人の少女の夏がメイン。
一彦も進も、香に初めて会った時から夢中で、それぞれのやり方でアピールする。香は女の子らしく、それをちょっとおもしろがって弄んだりして。
泳いだり散歩したりハイキングしたりの避暑地の日々を舞台に、三人の少年少女の甘酸っぱい関係が描かれるわけですな。
庶民の子供じゃないのです。ブルジョワな金持ちのお子様達なのです。
なので、若干むかついたり、現実感なかったりもしますが、それは仕方ない。
まぁそういうボーイミーツガールな夏が、余分なものを取り除いた空間を感じさせる文章で描かれる訳です。

で、ミステリなんですが……。
確かに予想もしてなかったことですけど。それはミステリとしてうまいからではなくて、びみょ〜に卑怯な手な気がする……。
もちろんフェアに作ってあります。〇〇トリックですから。
でもこういう作りだからこそ、構図的にすっきりしない部分が最後に残るととても気になる。
あれとかあれとか、あんなに意味ありげに出て来たのに、関係ないの?みたいな。
何回も読んだら解るのでしょうか。すっきりしないけど、何回も読みたくないし……。

まぁそれ以外は、読みやすくて、初々しくて、美しくて、ちょっと官能的で良かったです。

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