2007.11.03 *Sat*
リベルタスの寓話 島田荘司
久しぶりの御手洗シリーズの長編(中編?)
現在の時間に近くなるほど探偵をろくにしなくなった御手洗潔さんです。本作でも電話のみの登場で、ハリウッドサーティフィケイトを思い出した。でもまあそれより全然つまらなかった。
これ以上ないくらいの奇怪な殺人現場に死体の有様。これらのHOWとWHYに対して、謎に負けないくらい奇怪で裏技的でイレギュラーで生物工学的に解答を出すのが御手洗のシリーズだと思ってた。
今回はそれが微妙、なのかな。ただ殺害された遺体の惨さだけが消化不良に残る感じ。
地域紛争、ジェノサイドの「負の連鎖」は普通に怖い。けどよく解らない。縁ないのが幸せでよいのは間違いないけど、釈然としない……。それ、ああいう書き方だと殺しあうよりレイプの方がものすごくひどいみたいな書かれ方だったな。女的にそうじゃないとは言えないけど。
男にそれをどうこう非難できないだろ〜とか、そんなの日本中どこでもあるでしょ〜とか、若干ブルーになる。性犯罪と民族紛争は違うといいたいのでしょうか。
小説を読んでて時々こうゆう嫌な場面が出ると、とたんに読む気がなくなってしまうようになったのです。二十歳すぎてから。虚構との付き合い方が変化したのかもしれません。性犯罪うんぬんについては、もう女性学もフェミニズムもかなり進んだのだから、その研究対象を男性に向けるべきだと思いますね。
まぁ、主義主張をさりげなく小説に盛り込めるのは職業作家の特権なのかも。
あと、えらく淡々と。咄々とした文章だったような気がする。会話文多いと逆に読みにくいもんだと実感させられた。
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