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2009(Wed) 23:29
ツグミはツグミの森 竹本健治
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事故に遭って久々の学校復帰の後、クラスのイジメの対象が自分に移ったような気がして落ち着かない潤。そんな潤をかばってくれる親友の友雪と、変人の部長、水泳部と兼部の咲良、脚フェチの写真部の庸司、後輩の人形のような双子とが、天文部のメンバー。
夏休みを迎え、天文部の部室での天体観測の合宿に入ることになるが、大型台風が訪れ、ろくに観測もできない。
そして潤は、友雪が水泳部の先輩に失恋したのを密かに心配していた。
※
ミステリなんだけど、ミステリらしくないのです。
途中まではヤングアダルトにありそうな、明るい不安というか、ぽっかりと広がる空間への不安というか。どこか不穏な空気を孕んでいるのに、それを見て見ぬふりをしているような。
そんなぎこちない青春もののような、ちょっとした文学作品のような読みごたえでした。
ミステリのお約束とも言える、最近の事件と過去の事件の因果関係や、一対一対応でない犯罪への考察の導入、ツグミの森という名前の由来もそうですが、何か謎を解く鍵になるのではないかというようなものが、無造作におかれてます。
そして、雑学の豊富な部長、変な言動の双子。キャラの作り方も、嫌味なくらいにミステリ風。
それでいて、読みながらちっともミステリっぽくならないのですよね・笑
幼女殺しの事件は解らないまま。その他のことも、天文部員達が推理を披露しあうようなミステリ的シチュエーションにはならず。
なにかおかしいという違和感と、潤の趣味だという意味深な短歌、そして潤の記憶のイメージともいうべき描写が続く、独特の雰囲気のある小説でした。
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仕掛けは珍しいものではなかったので、すぐに気づく人が多いのではないでしょうか。冥王星なんて、あからさまだし。
だから、気づいてから、なぜ?と考えさせたいものなのかもしれません。
てっきり潤の事件が関わってくるのかと思ったら、関わってこないし。それは幼女の事件も関わってこないことにも言えるのですが。
要は、こういう事件があったら、ミステリの小説上では関係があるに決まっている、という思い込みを皮肉る結末でもあったように思います。
それでも、終盤でほんの一瞬だけ、探偵役が場を完全に支配します。だらだらと潤の思考が続いてきた本編において、まばゆい閃光が差し込むような瞬間。
論理もフェアも何もないですが、動機にはすごく納得〜な展開でした。
一瞬犯人が見る凶暴な夢。
その後にくる完全な空虚が恐ろしい……。








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