夜思比売の栞
一日一冊は読書日記。時々Dears日記&ローラン日記。
2008'08.20 (Wed)
カラスの親指 道尾秀介
「ラットマン」を、すごい!と思った記憶が鮮明だったので読んでみました。
なので、悪くはない……むしろ良い話なんだろうけど、なんとなく拍子抜けしてしまいました。
すごいミステリ、というより、すっきり鮮やかなミステリ、です。
以下、内容に触れています。未読の方はご注意。
詐欺やら掏りやらのその日暮しをしているまったく関わりのない男女がなぜか共同生活を始め、疑似的な家族を演じるところなんかはほろりときました。
いつ警察につかまるか。いつ敵に見つかるか。分からない。
そんな閉塞的で先の無い不安の中での、束の間の家族ごっこ。
できすぎ、の設定の割には、感情的にあっさりしてるな、と首を傾げつつ。
彼らの敵はやがて共通のサラ金の男だということに気付き、復讐と報復を企みます。
これもなんか簡単というか、失礼ながら、玄人の仕事には思えないのでした。
ただ、全体的にいつもにも増して読みやすいので、その読みやすさにストーリーで騙された、感がありますね。
やはりミステリ読む時は、どこか騙されたいという心理があるので、読みやすいと嬉嬉として作者の敷いたレールに乗ってっちゃうわけです。
すべてが分かってみると、ものすごくフェア。文章の視点における問題点も、前半に暴露済。
数学の問題と同じ。出て来た条件をすべて使った答えが、解。
全く同じ材料から全く違う料理を作り出すように、最後にぱっと現象自体を変えてしまうのがすごい。
しかし、このハッピーエンドもたまたまに過ぎなくて。最悪の結末になっていた可能性も十分にありえて。唯一無二の結果ではないのです。解は一つではない。
みんなまとめて殺されててもおかしくないし。
結局、よりよい未来を選び手に取ろうとするのは自分の力、なんですよね。
なので、悪くはない……むしろ良い話なんだろうけど、なんとなく拍子抜けしてしまいました。
すごいミステリ、というより、すっきり鮮やかなミステリ、です。
以下、内容に触れています。未読の方はご注意。
詐欺やら掏りやらのその日暮しをしているまったく関わりのない男女がなぜか共同生活を始め、疑似的な家族を演じるところなんかはほろりときました。
いつ警察につかまるか。いつ敵に見つかるか。分からない。
そんな閉塞的で先の無い不安の中での、束の間の家族ごっこ。
できすぎ、の設定の割には、感情的にあっさりしてるな、と首を傾げつつ。
彼らの敵はやがて共通のサラ金の男だということに気付き、復讐と報復を企みます。
これもなんか簡単というか、失礼ながら、玄人の仕事には思えないのでした。
ただ、全体的にいつもにも増して読みやすいので、その読みやすさにストーリーで騙された、感がありますね。
やはりミステリ読む時は、どこか騙されたいという心理があるので、読みやすいと嬉嬉として作者の敷いたレールに乗ってっちゃうわけです。
すべてが分かってみると、ものすごくフェア。文章の視点における問題点も、前半に暴露済。
数学の問題と同じ。出て来た条件をすべて使った答えが、解。
全く同じ材料から全く違う料理を作り出すように、最後にぱっと現象自体を変えてしまうのがすごい。
しかし、このハッピーエンドもたまたまに過ぎなくて。最悪の結末になっていた可能性も十分にありえて。唯一無二の結果ではないのです。解は一つではない。
みんなまとめて殺されててもおかしくないし。
結局、よりよい未来を選び手に取ろうとするのは自分の力、なんですよね。
![]() | カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (2008/07/23) 道尾 秀介 商品詳細を見る |
2008'08.17 (Sun)
あかいろの童話集 アンドルー・ラング
順番適当に読んでます。
あかいろはアンデルセンが多かったみたいです。部分部分で読んだ事あるようなのとか、似たのとかあって、やっぱり民話って語り継がれてくうちに合体したり、伝播したり、するんだなぁとおもしろかったです。
つまらないのは飛ばしてるんですが、あかは結構飛ばしてしまったかもm(_ _)m
なんていうか、決まりきったやりとりが多くて、そのやりとりがまた形式的で、つまらなかったかなぁ。
しかし、「木の衣のカーリ」だっけ?の牛さんが漢気あふれる、惚れそうになるくらいのナイスガイなのに、全然報われなかったのにはびっくりしました。
そーゆーこともあるのか……。
あかいろはアンデルセンが多かったみたいです。部分部分で読んだ事あるようなのとか、似たのとかあって、やっぱり民話って語り継がれてくうちに合体したり、伝播したり、するんだなぁとおもしろかったです。
つまらないのは飛ばしてるんですが、あかは結構飛ばしてしまったかもm(_ _)m
なんていうか、決まりきったやりとりが多くて、そのやりとりがまた形式的で、つまらなかったかなぁ。
しかし、「木の衣のカーリ」だっけ?の牛さんが漢気あふれる、惚れそうになるくらいのナイスガイなのに、全然報われなかったのにはびっくりしました。
そーゆーこともあるのか……。
![]() | あかいろの童話集 (アンドルー・ラング世界童話集 第 2巻) (2008/01) アンドルー・ラング 商品詳細を見る |
2008'08.16 (Sat)
きいろの童話集 アンドルー・ラング
「きいろ」では、ギリシア神話に似た展開とか要素とかが多かったのかな? そういうのが、よく目に止まりました。
「花の女王のむすめ」なんて、まんまデメテルとペルセポネの神話を彷彿とさせます。
「きいろ」も結構面白かったですね。
短くてシンプルな話が多かったような気がする。だらだらと二転三転と続くとなんか飽きてきちゃうので、分かり切った結末部分が簡単に語られるのは楽ちんでした。
ムーディーというか、情緒があるというか・笑
なんか意味深だなって思う話もちらほらあって。大人には大人の楽しみがあるのです。
「魔法使いの王さま」とか「霜の王」とか「死んだ妻」とか。ほんとはこーゆー話じゃないの?みたいな妄想が膨らみます。
あ、でも絵は前の方が好きかもしれない。お姫さまがきれいじゃないもん。
「花の女王のむすめ」なんて、まんまデメテルとペルセポネの神話を彷彿とさせます。
「きいろ」も結構面白かったですね。
短くてシンプルな話が多かったような気がする。だらだらと二転三転と続くとなんか飽きてきちゃうので、分かり切った結末部分が簡単に語られるのは楽ちんでした。
ムーディーというか、情緒があるというか・笑
なんか意味深だなって思う話もちらほらあって。大人には大人の楽しみがあるのです。
「魔法使いの王さま」とか「霜の王」とか「死んだ妻」とか。ほんとはこーゆー話じゃないの?みたいな妄想が膨らみます。
あ、でも絵は前の方が好きかもしれない。お姫さまがきれいじゃないもん。
![]() | きいろの童話集 (アンドルー・ラング世界童話集 第 4巻) (2008/05) アンドルー・ラング 商品詳細を見る |
2008'08.14 (Thu)
アリスミラー城殺人事件 北山 猛邦
べ、別にミラーだから読んだ訳じゃないんだからねっ!偶々なんだから!誤解しないでよね!………SH絡みでのみツンデレが発動する鳩羽です。
「ニアミステリのすすめ」であらすじを読んで面白そうだったので、手に取ってみました。
古今東西のミステリを勝手に似ていると比較、論じる文章、コラム集。意外と素人っぽい文章が多かったです。
さて、この作者、北山 猛邦の感覚とかセンスは好きです。
この話に限らず、どこか麻耶雄高を思い出させるキャラクター。
そこにいるのは読者と同じ人間ではない、といいたげな、徹底した人形っぷり。数少ない感情を露にするシーンでも、どこか下位の生物を見るような、憐憫がつきまといます。まさしくバラバラ殺人の被害者になっても、人形をバラして何が悪いの?みたいな、創造主の影がちらほらとつきまといます。
三人称の書き方がどう、という技術的な問題?なのかどうか分かりませんが、ある意味、神の視点をうまく達成しています。
正負を問わず人間の感情をそこに絡めない、というわけで、サスペンス系ミステリとは真逆の方向にあるようです。
ただこのミステリがフェアか、といわれたら、私はフェアではない、と思いました。
記号に過ぎない、推理合戦もしない探偵達を集めたことも。
カタルシスのない謎解きも。
それは、小説が読者を騙そうとする意図。入れ子構造の暗示であり、英雄の残酷な死であり、奴隷の越権行為にしか思えないからです。
……Moira風に言ってみました。
そこにミステリだとか本格だとか言うことに意味はないのかな?と思ったり。
簡単に壊せる世界。それは読者にとってもそれほど魅力的ではなかったようです。
長さをあの3倍くらいにして、アリスとかチェスとかの蘊蓄書きまくって引用しまくって、探偵達は見当外れの推理をしまくって、いわば普通のミステリの常套手段を取って、ねちねちと書き込めば面白いと思うのですが。そしたらもう別物ですしね。
「ニアミステリのすすめ」であらすじを読んで面白そうだったので、手に取ってみました。
古今東西のミステリを勝手に似ていると比較、論じる文章、コラム集。意外と素人っぽい文章が多かったです。
![]() | ニアミステリのすすめ―新世紀の多角的読書ナビゲーション (2008/06/25) 探偵小説研究会 商品詳細を見る |
さて、この作者、北山 猛邦の感覚とかセンスは好きです。
この話に限らず、どこか麻耶雄高を思い出させるキャラクター。
そこにいるのは読者と同じ人間ではない、といいたげな、徹底した人形っぷり。数少ない感情を露にするシーンでも、どこか下位の生物を見るような、憐憫がつきまといます。まさしくバラバラ殺人の被害者になっても、人形をバラして何が悪いの?みたいな、創造主の影がちらほらとつきまといます。
三人称の書き方がどう、という技術的な問題?なのかどうか分かりませんが、ある意味、神の視点をうまく達成しています。
正負を問わず人間の感情をそこに絡めない、というわけで、サスペンス系ミステリとは真逆の方向にあるようです。
ただこのミステリがフェアか、といわれたら、私はフェアではない、と思いました。
記号に過ぎない、推理合戦もしない探偵達を集めたことも。
カタルシスのない謎解きも。
それは、小説が読者を騙そうとする意図。入れ子構造の暗示であり、英雄の残酷な死であり、奴隷の越権行為にしか思えないからです。
……Moira風に言ってみました。
そこにミステリだとか本格だとか言うことに意味はないのかな?と思ったり。
簡単に壊せる世界。それは読者にとってもそれほど魅力的ではなかったようです。
長さをあの3倍くらいにして、アリスとかチェスとかの蘊蓄書きまくって引用しまくって、探偵達は見当外れの推理をしまくって、いわば普通のミステリの常套手段を取って、ねちねちと書き込めば面白いと思うのですが。そしたらもう別物ですしね。
![]() | 『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社ノベルス) (2003/05) 北山 猛邦 商品詳細を見る |
2008'08.11 (Mon)
ひぐらしのなく頃に解 第二話~罪滅し編~(上) 竜騎士07
上巻だけ、とりあえず読みました。下巻ももう出ていますが読むのは先になりそうなので、先に上巻のメモを。
当たり前かも知れませんが「解」は怖くないのです。怖いというより、悲しい。怖いというより、もどかしい。
でもここで、「分かる分かる〜」と共感したり同情したりすると、安易な落とし穴にはまってしまうというか、ダメなんだろうと思います。それではこの後の惨劇が防げない。
ひぐらし、は、まさに犯人当てゲーム。
被害者がいて加害者がいて探偵役がいて探偵補佐役がいて、殺しのアイテムもそろっている、そんなゲーム。
毎回違った人やアイテムが選ばれるけど、結果は大きく変わらない。ただ、それを変えたいとする意思が見え隠れする、そんなゲームだということが「解」では明らかになってきます。
殺人の是非を問う小説ではないです。そんなものは非に決まっている。もっと簡単に人を殺す小説もドラマも世に溢れてます。
出口のない迷路の中からなんとか逃げだそうとしているネズミを上から見ているような、不思議な息苦しさ。確かに、「見る」ことはまた、「見られる」ことでもあるのです。
今のところそれほど鬼隠し編ともリンクしていないような罪滅し編。圭一とレナ視点で書き分けられている。
なにより2色刷り・笑
血のところなんかは読みにくくて仕方なかったです。
しかし解りやすい。ここだぞ!みたいで。
当たり前かも知れませんが「解」は怖くないのです。怖いというより、悲しい。怖いというより、もどかしい。
でもここで、「分かる分かる〜」と共感したり同情したりすると、安易な落とし穴にはまってしまうというか、ダメなんだろうと思います。それではこの後の惨劇が防げない。
ひぐらし、は、まさに犯人当てゲーム。
被害者がいて加害者がいて探偵役がいて探偵補佐役がいて、殺しのアイテムもそろっている、そんなゲーム。
毎回違った人やアイテムが選ばれるけど、結果は大きく変わらない。ただ、それを変えたいとする意思が見え隠れする、そんなゲームだということが「解」では明らかになってきます。
殺人の是非を問う小説ではないです。そんなものは非に決まっている。もっと簡単に人を殺す小説もドラマも世に溢れてます。
出口のない迷路の中からなんとか逃げだそうとしているネズミを上から見ているような、不思議な息苦しさ。確かに、「見る」ことはまた、「見られる」ことでもあるのです。
今のところそれほど鬼隠し編ともリンクしていないような罪滅し編。圭一とレナ視点で書き分けられている。
なにより2色刷り・笑
血のところなんかは読みにくくて仕方なかったです。
しかし解りやすい。ここだぞ!みたいで。
![]() | ひぐらしのなく頃に 解 第二話~罪滅し編~(上) (講談社BOX) (2008/07/02) 竜騎士07 商品詳細を見る |
タグ : 竜騎士07









![アニカンR MUSIC 総力編集 Revo & Yuki Kajiura Dream Port 2008 Memorial[雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51uWMTgrdLL._SL160_.jpg)


