夜思比売の栞 本の感想(小説以外)

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January February March April May June July August September October November December
2009(Mon) 23:03

サウンド・エシックス これからの「音楽文化論」入門 小沼純一

本の感想(小説以外)

サウンド・エシックス―これからの「音楽文化論」入門 (平凡社新書)サウンド・エシックス―これからの「音楽文化論」入門 (平凡社新書)
(2000/11)
小沼 純一

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ですます調で書かれた、とても読みやすい新書でした。その読みやすさ故に、なんだか騙されているような……言いくるめられてるような……笑
そういう気持ちに絶えずなってしまいましたが。

内容はタイトル通り、現代の定義するところの音楽について、多角的に、細かく、できるだけ偏った見方をしないように〜書かれたもの。
分かったような分からないような……感じなので、なんとも説明しがたいのですが。ところどころで、自分が音楽に対して持っていた疑問だとか、もやもやしたものを指摘してくれて、面白かったのは確かです。

同じ音でも音楽でも、人によって聴くものは違い、聞き手がいないと完成しないのが音楽だとしたら、音楽は存在そのものが単数形ではないだけでなく、受け取る側も含めてさらに複数の存在になるのかな〜とか。
「いまここにしかない」ものでなく、「いつでもどこでも」なものになった反復の退屈さと、いわゆる古典の名作として聴かれ続けているものの差はどこにあるのかな〜とか。ライブとかコンサートというのは、どういうものなのかな〜とか。
音楽は時間と共にあるものだけれど、空間も無視できるものではなくなっているし。視覚情報によって、聴こえてくるものが違ったりとか。

2000年の本なので決して新しい本ではないのですが、音楽について、いろいろ考える良いきっかけがたくさん転がっている良い本でした。

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January February March April May June July August September October November December
2009(Mon) 23:47

イルカ 生態、六感、人との関わり 村山司

本の感想(小説以外)

イルカ―生態、六感、人との関わり (中公新書)イルカ―生態、六感、人との関わり (中公新書)
(2009/08)
村山 司

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読書迷走中。
……いや、イルカ好きなんです。普通に。あと、小説以外も読むんだぜっていうアピール・・・?

タイトルどおり、イルカの生態やどのように人と関わってきたか、神話にどのように登場してきたか、等など、イルカについてのおおよその情報を網羅した本になっています。中公新書にしては、簡単で読みやすいと思います。

クジラとイルカの分類の仕方とか、明確にあるわけじゃないんだというのが面白い。
昔から、食料や資源としてのイルカと、賢くて人間と心を通じ合わせることのできる動物としてのイルカ。二つの像を持っていたのが興味深い。
サカナやクジラと混同しつつも、なんかちょっと違う?という感覚を持っていたのでしょうか。
イルカがどこまでのことを理解できて、さらにどれくらい学習できるのかという分野は興味深いです。

国や民族によってもイルカへのイメージが違うのも、現在のイルカ神話といってもいいのかもしれません。
確かに、イルカは賢い動物だから人間の友達でありパートナーだ、という考え方は、日本っぽくない……というかアメリカっぽい。そしてその影響をたやすく受け入れていくところこそが、日本っぽい・笑

クジラにはまだ触ったことがないとか、船が苦手だとか言っちゃう筆者もおもしろかったです。

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January February March April May June July August September October November December
2009(Fri) 22:59

小さな生きものたちの不思議なくらし 甲斐信枝

本の感想(小説以外)

小さな生きものたちの不思議なくらし小さな生きものたちの不思議なくらし
(2009/09/02)
甲斐信枝

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かがくのとも、こどものとも、などで、身近な草花や昆虫達を題材にした絵本を多数上梓してきた作者のエッセイ。

子供の頃はあまりこういう科学絵本が好きではなかったのに、当時購入していた毎月1冊届く絵本のシリーズが多分科学絵本のシリーズで、子の心親知らずだなぁと腹立たしかったのを思い出しました。
ノウサギとか、ウスバカゲロウとかの絵本だったな……セミとか。

それはさておき、そういうどこにでも生えていそうな雑草や草花、ハチ、クモなどを題材にした絵本の解説を集めたようなエッセイ集になっていて、所々にその絵本のページが紹介されていて、読んで楽しく、見て懐かしいという豪華な本になっています。覚えてないけど、読んだことあるんだろうな。懐かしい感じがしました。
こんな風に書いてあると、子供は草むしりなんてできなくなるんじゃないだろうか・笑

絵本を書くにあたって、実際畑を借りて草がどのように成長したり、覇権を競い合ったりするのかを観察したり、コガネグモやアシナガバチを飼ったりと、作者のすることは大人でありながら「小さい人」のようで微笑ましい。
また、アオムシを捕まえて肉団子にして幼虫に食べさせるアシナガバチや、アオムシに卵を直に生み付けるハチ。一見、可哀相な気がしてしまうのですが、こういう絵本で昆虫と人間の違いや、植物と動物の違いを知っていくのかもな〜と思いました。


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January February March April May June July August September October November December
2009(Thu) 22:51

文學少女の友 千野帽子

本の感想(小説以外)

文學少女の友文學少女の友
(2007/03)
千野 帽子

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千野帽子の文学論、作家論、時に批評論をまとめたもの。
すらすら読めました!……ということは、きっとよく理解できていないのでしょう私。
まあでも、全く読む気がしないような評論を読むよりも、読書的に楽しめて、些少なりとも誰かの自論を吸収できた分、よかったのではないかと思います。

広義に捕らえて、曖昧に、近代がどう、心理学的にこう、と論じるくらいなら、始めから狭い視点でできるだけ正確に誤解のないように論じようという、意気込みを感じました。それが読みやすさに繋がっているのかも。
分かりやすさには繋がっていないのかもしれませんが。

自分はミステリ好きなので、特にジャンル小説の辺りを興味深く読みました。
千野帽子も好きなので、好きな人に好きなものを痛め付けられるような、倒錯的な喜びを感じつつ。特に反論もなく・笑
形式化したミステリのお約束を楽しみつつ、リアルな人間らしいエピソードを真剣に読んだり、馬鹿馬鹿しさにうんざりしたりしながら、それでもミステリに手を伸ばしてしまうという……。
すごいマジックを、もう一回やって!もう一回!と際限なくねだる子供のような、無垢なふりをした悪意のある読者だという自覚はあります。

ただ多くの今時の普通の読者〜は、そんなにジャンルにこだわらないような気がします。
純文学とエンターテイメントの境界がなくなり、ミステリとラノベも、大人の読むものと子供の読むものも、分野によっては男の読むものも女の読むものも、表面的には差がなくなってきて。
ジャンルが明確に分かれている方が、豊かではないけれど、選ぶのは楽なんですけどね。
同じことは批評する時にも言えるのではないかと。ジャンルを意識して批評、あるいは感想を言うのは簡単だけれど、ジャンルを無視して批評すると代わりに指標となる基準を取り込まないと、成り立たなくなるのかもしれません。
新人賞に静謐で重厚な老獪さは求めないし、ラノベに新しさは必要不可欠ではないし、ミステリは人間が書けてなくてもいいし、純文学は読みにくい文章でも評価されるし。
うーん。やっぱり、一番ジャンルにこだわっているのは、作者や出版社や書評家なんじゃないかという気がする〜。

一番印象に残ったのが、恋月姫の展覧会かなんかで綾辻行人と会ったというくだりでした・・・

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January February March April May June July August September October November December
2009(Sat) 23:47

ヨーロッパの神話伝説 ジャックリーン・シンプソン

本の感想(小説以外)

ヨーロッパの神話伝説ヨーロッパの神話伝説
(1992/01)
ジャックリーン シンプソン

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まぁ、大抵この手の本はサンホラ考察とか、そんな下心を持って読んでいるのですよ。
元から神話とか民俗とか嫌いではないけれど、積極的に知ろうとするほど〜ではないというか。何も考えずに、適当に読んでいて知識になるはずもないのですが、知ってる単語が増えるとちょっと嬉しかったりします。

創世、この世の成り立ち、生と死といったものを説明するための神々の神話というよりも、民話や風習の中に残っているより身近なフォークロアについての本……と説明されながらも、分類は神話でした。民俗かと思ってた。

ヨーロッパ大陸で存在を信じられている人間以外、妖精、小人、魔女、巨人、狼男など〜の存在について、大まかに概観するのに適してますかね。あとは、英雄とか。この手の話では欠かすことのできない、死者についてとか。祭りとか。
あと、今でこそ子供騙しのように思われがちな習慣も、元々は割に合わない日常のちょっとした不幸や不平等、不満を宥めるためのものなんだなぁとしみじみ思います。

なんていうか、キリスト教徒であっても、やっぱり現世利益が大事!というか。
子育てをきちんとしないと〇〇な子になる!とか、泣いてばかりで育たない子は妖精の取り替え子だ!とか、ある意味現実に適応するための慰めみたいなもの?のようです。
そんな見方をすると、つくづく人間は社会的動物だと思いますね。

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